2022.07.10

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納豆を食べるより良いタイミングは…「朝」それとも「夜」どっち?「え、食べる時間で血栓も予防する⁉」

管理栄養士nnaokortです。日本が誇るスーパーフード「納豆」。家計に優しいのはもちろん、近頃注目の栄養素もたっぷりと、魅力満載の食材です。今回紹介するのは、納豆にまつわるクイズ。例えば…いつ食べてもおいしい納豆ですが、食べる時間によって体の働きが変わると知っていますか?そうした納豆の栄養豆知識や、より体にいい食べ方、さらにはスペシャル納豆ご飯レシピまで!充実のプログラムでお届けします♪

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クイズを楽しみながら、納豆について学ぼう♪

実は先日、札幌STVテレビの情報番組『どさんこワイド179』で、納豆の魅力が取り上げられていたんです。番組ではクイズ形式で納豆の紹介をしていました。
そこで、その中から納豆の栄養にまつわるクイズを2問お出しします!


【クイズ1】納豆を食べるのによりよい時間は…朝?夜?



出典先:たくぱそ

答えは「夜」です。朝食べるのが悪いのではなく、よりよいという観点でいうなら夕食ということです。理由は2つ。

1つ目は善玉菌の働きです。納豆菌は腸内細菌の善玉菌を増やす働きがあります。この善玉菌、実は活性化する時間が夜10時~午前2時と、ゴールデンタイムがあるそう。夕食に納豆を食べるのがおすすめなのは、善玉菌がより効率よく働いてくれるからなのです。

2つ目は納豆キナーゼの働きです。納豆キナーゼには、血液をサラサラにして血栓予防する働きが。そして、食べてから10時間~12時間、その働きが持続するといわれています。夜に納豆を食べて、寝ている間に納豆キナーゼの恩恵を受けるよう調整すると良い、ということなんですね。

【クイズ2】納豆のたれは混ぜる前に入れる? 混ぜた後に入れる?
  

出典先:たくぱそ

納豆についているたれを入れるタイミングもとても大切だということはご存じでしたか?
このクイズの答えは…「混ぜた後」なんですよ。納豆はネバネバ成分で表面が覆われていますが、そのネバネバ成分に旨味が含まれています。たれを先に入れると納豆の旨味が全体に広がりません。納豆を均一に混ぜることで旨味が全体に広がり、そこにたれを絡ませる、という仕組みです。

納豆の栄養は?

ポリアミン
ポリアミンとは、細胞の元気を維持する成分として近頃注目されている栄養素です。細胞の働き、代謝を活性化し老化予防をしてくれるという点から、若返りの栄養素などとも謳われています。

ポリアミンを多く含む食材は胚芽、豆類、野菜類、きのこ類など多くありますが、ポリアミンは発酵によって含まれる量が増加します。なので、納豆、みそ、しょうゆといった大豆発酵食品にはポリアミンが多く含まれています。とりわけ納豆は、納豆菌による発酵のおかげでポリアミン量が非常に多いのが特徴です。

ポリアミン摂取で重要なのが、毎日食べること。納豆1日1パック(約50g)を目安にふだんの食事で継続的に摂取すると、細胞の若さを保ち、身体の中から元気で美しく過ごせる…そんな健康と美容効果への期待がいっそう高まります。

納豆キナーゼ
納豆のネバネバ部分に含まれるタンパク質分解酵素が、ナットウキナーゼ。クイズでも触れましたが、納豆キナーゼは血栓予防の働きを持っています。納豆が一躍有名になったのは、この納豆キナーゼの発見がきっかけです。

ビタミンK
ビタミンKは血液を凝固させる働きを持つ脂溶性ビタミンです。ビタミンKはカルシウムの骨への沈着を促す上、その流出を予防する働きに関係しています。食事ではビタミンKとビタミンDを一緒に摂ると、骨密度アップが期待できるので、納豆と一緒に、魚料理やきのこを使ったおかずを組み合わせるといいですね。
ちなみに、血栓を防ぐためにワルファリン(血液を固めないようにする薬)を服用している場合、血中ビタミンKの値が高くなると薬の効き目が弱まることがあります。服用している方は医師に相談しましょう。



納豆の種類

大粒…大豆本来の味が楽しめます。食感がよく納豆のおいしさが味わえるので料理にもおすすめ。

小粒…納豆菌の繁殖が多くなってネバネバが生まれます。この粘りが旨味を感じる素です。

ひきわり…皮を取り除いて刻まれているので消化がよく、小さいお子様からご高齢の方まで広く楽しめます。

黒豆…食感、風味、旨味と全て黄大豆と違いがあるので、食べ比べしてみても楽しめます。黒豆には抗酸化作用のあるアントシアニンが含まれています。

栄養ましまし納豆スペシャルご飯を作ってみた!

納豆はスーパーフードですが、更に食材をプラスしてスペシャルフードにするメニューを紹介。栄養満点で時短メニューなのもうれしいポイント。

納豆にプラスするおすすめ食材

もち麦、ほうれん草、卵の3品。

・もち麦
もち麦は食物繊維をアップさせて、納豆の善玉菌の働きをさらによくします。

・ほうれん草
ほうれん草には納豆に含まれていないビタミンAやビタミンCが。ビタミンAは皮膚や粘膜などを健康に保ちます。ビタミンCはコラーゲンの合成に必要不可欠。納豆はビタミンB群が豊富なので、お肌にうれしいビタミンが揃うことに。さらにビタミンAもCも抗酸化作用があるので納豆の免疫力に力添えしてくれますね。

・卵
納豆は畑のお肉といわれる、大豆が原料。植物性たんぱく質において優秀ですが、動物性たんぱく質で優秀な卵をプラスすると動植物の優秀なたんぱく質が揃います。さらに、卵にはビタミンDも含まれるため、ビタミン類ではA、B、C、D、Kが補えます。

ただ、納豆には肌や髪の健康に役立つうれしい栄養素「ビオチン」があるのですが、卵白にはビオチンの吸収を阻害するアビシンという成分が含まれているんです。
でも、大丈夫! アビシンは加熱すると不活化するので、加熱した卵を使えばビオチンの吸収には問題ありません。

ちなみに加熱した卵を使う時はゆで卵より、炒り卵や目玉焼きがおすすめ。というのも、調理するときに油を使うからです。
ビタミンA、D、Kは脂溶性ビタミンのため、油と一緒に摂ると体内での吸収がよくなります。ゆで卵を使うならほうれん草を炒めたり、食べる直前にゴマ油やオリーブオイルを少し加えるといいでしょう。

さらに筆者がプラスした食材は、「白すりゴマ」です!

筆者はゴマをよく使うのですが、ゴマには不飽和脂肪酸のリノール酸やオレイン酸が含まれています。不飽和脂肪酸はコレステロールを減少させる効果があります。特にリノール酸は体内で作ることができないので食べ物から摂る必要があるのです。

【材料】
納豆…1パック
ご飯(もち麦入り)…1膳
茹でたほうれん草…1束  (茹でて、しょうゆで味付けしておく)
目玉焼き…1個分
かつお節…適量
(白すりゴマ…適量)

【作り方】
材料をすべて、ご飯の上に乗せて混ぜれば完成!
筆者は、最近お気に入りの黒豆納豆を使用。大粒で食感が楽しめるのと、通常の納豆より少し甘みを感じるところが好みです。




栄養ましまし納豆スペシャルご飯を食べてみた!

食べるのはもちろん「夜」です!
出来上がりが彩り豊かで見栄えがするので、手抜きしたように見えないのがいいなと思いましたよ。
「今日は1日疲れたし、夜ご飯作るの大変だな~」と思った日のメニューにもおすすめです。

半熟気味の目玉焼きと納豆ともち麦ご飯のプチプチッとした食感の組み合わせが、とってもおいしくて食べ応えがあります。もち麦ご飯、納豆、ほうれん草、卵とすべて食感が違うので、一気に混ぜるよりは、ほうれん草と納豆とゴマ。卵とかつお節と納豆とか、丼の中のいろんな場所をすくいながら食感と味を楽しんで食べれば、飽きがきません。


納豆の食べる時間やたれを入れるタイミングを変えるだけで体への効果が違うなんてびっくりですよね。今晩から夜ご飯の定番として、納豆はいかがですか?


≪参考文献≫
WEB:

公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット https://www.tyojyu.or.jp/net/index.html 

タカノフーズ おかめ納豆サイエンスラボ http://www.natto-science.jp/

大塚製薬 栄養素カレッジ https://www.otsuka.co.jp/college/nutrients/vitamin-k.html


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出典先:photoAC

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