2022.08.11

食べる

【千葉県民の熱愛グルメ】本当の「なめろう」作りに挑戦!1000回叩くからこその圧倒的“ねっとり感”に悶絶~

千葉県の郷土料理として有名なのが「なめろう」。筆者にとっては「お刺身の一種」という感覚ですが、千葉県民からは「別物だ!」と声が上がるそうです。先日、日本各地のグルメを楽しく伝えるバラエティ番組『秘密のケンミンSHOW極』で圧倒的なねっとり感を誇る、千葉の「なめろう」が紹介されていました。そのねっとり感の秘密は、ひたすら叩きまくること。叩く回数を重ねると、本当にねっとり感は増すのか? 実証してみます!

【美食家・魯山人考案】20円の納豆でも無問題!?魯山人レシピで「納豆の茶漬け」作ってみた!そのお味は…?


釣りたての青魚を使った「なめろう」は船上の漁師料理だった!



千葉県の中でも、海に接した房総半島沿岸部がその発祥と言われている「なめろう」。元々は釣った魚を船上で捌いて、薬味と一緒に叩いて食べていた漁師料理でした。使う魚は主にアジ、サンマ、トビウオなどの青魚です。

『秘密のケンミンSHOW極』で紹介されていたこの“本場の”なめろうは、叩きの回数が1000回に達するのが特徴! この圧倒量の叩きがないと“本場の”なめろうではないのです。全国各地になめろうはありますが、千葉県民曰く「県外のなめろうは魚の身の形が残っているから違う!」とか。もう叩いて叩いてペースト状になって、身の原型をまったくとどめていないところで「なめろう」が出来上がるのです。1000回かぁ!と驚きつつも、作ってみたい気持ちになってきました。

「なめろう」の基本的な材料は魚、薬味、みその3つ



【材料】3人分
アジ(生食用)…450g ※写真は小アジですが真アジがおすすめです!
しょうが…20g 
長ねぎ…1本
白みそ…大さじ1と1/2
青じそ…3枚

『秘密のケンミンSHOW極』では、使う食材の紹介はありましたが、分量までは紹介されていませんでした。そこで、インターネットで複数の「なめろう」レシピを見て、平均的な分量を計算してわたしなりにレシピを考えました。

1.しょうがと長ねぎをみじん切りにします。



薬味は後でアジと一緒に叩くので、粗いみじん切りにしました。

2.アジを3枚に開き、身を粗いみじん切りにします。



近隣のスーパーで売られていたアジは小アジだったため、数が多くて捌くのに大苦戦! 手間を考えると身が大きい真アジがおすすめです…! もっと気軽に作るなら、アジの刺身でもいいと思います!

うろこや頭、ぜいごなどを落として、内臓を出して洗って3枚に開いて…。上手に捌けずアジの身がボロボロ。でも後で叩くので形は気にしません! 残った小骨は取り除いておきました。

3.しょうが、長ねぎ、白みそを乗せて包丁で叩きます。



薬味の量が多いので、まずは半量を乗せました。さぁ1000回を目指して叩いていきます!

千葉の「なめろう」を目指して叩きまくる!

まずは100回…


こちらが包丁で100回叩いた「なめろう」です。アジの身、長ねぎ、しょうが、みその固まりが見えますね。全然叩き足りないのが見てわかります。まだまだ叩きますよ! と余裕です♪

続いて300回…


こちらは300回叩いた「なめろう」。アジの身が細かくなって粘り気が出てきました。薬味も細かくなって全体的にまとまってきました。しょうがと長ねぎが香って、魚臭さはありません。

ここらで追い薬味…


ちなみに、この辺りでまとまってきたので、残りの薬味を追加しました。この薬味が細かくなるよう、さらに叩いていきます!(まだ余裕)

さあ、600回!まだまだこれからyo!


これが600回も包丁で叩いた「なめろう」です。ねっとり感が出てきて包丁で混ぜながら叩く時に重たさを感じます。「もう出来たよね?」と感じましたが、千葉県民は「まだまだ足りない!」と思うのでしょうね…。が、がんばって1000回目指します。(右腕に疲労感、気持ちが折れそう…)

ラストスパート!900回…


900回も叩きましたよ!(ドヤ顔)包丁の刃先には「なめろう」がねっとりとへばり付いています。「もういいでしょう」という気持ちがある反面「1000回まであと100回、ここまで来たならやらなければ!」という使命感。がんばって(がんばれ!)、あと少しもう少し叩きます!(気合い注入!)

これが1000回叩いた「なめろう」。ねっとり感がハンパない!



1000回に到達するまでにかかった時間は15分。大変でしたが時間的には意外にも早く作れました♪
1000回も叩いた「なめろう」はまな板からお皿に移すのに、ドン!というようなずっしり感がありました。



長ねぎの粒感は残っていますが、アジの身はなめらかです!「なめろう」は初体験の筆者、いただきます!

口の中に入れるとねぎとしょうがの味が強い! こんなものなのか、もう少し減らしてもいいものか判断が付かず…。でも薬味と白みそのおかげで魚臭さはまったくありません。そしてねっとり感がハンパない! 刺身とはまったくの別物。アジがこんなにねっとりとするのかと新発見です。

ひと口でたくさん食べるというよりも、少しずつ、少しずつ味わう料理という感じです。きっと、お酒のアテにぴったりなのでしょうね。
千葉県では「なめろう」を焼いた「さんが焼き」も定番だそう。ということで、「さんが焼き」にもトライ!

「なめろう」をフライパンで焼くだけ、おかずにぴったりな「さんが焼き」



「なめろう」を少量のサラダ油を引いたフライパンで焼いてみます。1000回も叩いた「なめろう」はねっとり感が強く、手で丸めるよりもスプーンですくったほうが扱いやすい。こんがりと焼き目が付くように弱めの中火で片面2分ずつ、計4分程度焼きました。



ミニハンバーグのように焼けました! 表面はこんがりとしています。小さいサイズで焼いたからか、弱めの中火でも中まで火が通り、とてもやわらかくてふんわりとした食感に仕上がりましたよ。

味はしょうがと長ねぎの味が強く、焼く前の「なめろう」と変わりません。薬味の味がしっかりとしているのでケチャップなども不要です。

生の「なめろう」だと子どもは食べにくそうでしたが、「さんが焼き」にすることで食が進んでいましたよ♪

明確なレシピはないのが郷土料理!本場の味をいつか体験してみたい

本場の「なめろう」を作るきっかけになったのが『秘密のケンミンSHOW極』。冒頭でもお伝えしたように、番組では食材の分量までは紹介されていなかったため、今回のレシピは筆者が色々調べて考えたものでした。それゆえ、本場に近い味わいだったのかはわかりませんが、1000回包丁で叩いたねっとり感は本場の「なめろう」そのものだと思います。

いつか房総半島に行くことがあれば、ぜひ本場の「なめろう」を食べてみたいと強く思いました。1000回叩いた本場の「なめろう」からはアジの身のポテンシャルの高さを実感できますよ!


【あわせて読みたい】

【リュウジレシピ】“漬けてのせるだけ”で超絶うまい「悪魔のサーモン丼」作ってみた!火は一切使いません!

【寒ぶりで呑む】お刺身で「ぶりのエスニック風」作ってみた!トマト・パクチー・赤玉ねぎでアジア~ン風♪

圧倒的ビジュアルで爆誕!マリトッツォもとい「すしトッツォ」を真似して作ってみた!絶対うまいやつやん





Pick up

Related

Ranking